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スペシャルロック対談

大森靖子

大森靖子「スペシャルロック対談」

大森 よろしくおねがいします
一同 よろしくおねがいします
藤岡 おこがましくも、私もイチオシのアーティストなんです
大森 かわいい(笑)

竹山 なんか、色々と聞きたくなるようなキーワードがいっぱいあるけども、カテゴリー的にはアーティストなの?アイドルなの?
大森 あー、もうなんでもいいです!でも、アイドルではないです。(笑)
竹山 でもアイドルのイベントにも出てるんでしょ?
藤岡 でもあれは異例でしたよね?
大森 はい。後藤まりこさんの出演が決定していて、「私もいけるんじゃねえかな?」と思って「出たい!出たい!」って言ってたら、誰かが出させてくれました。
竹山 アイドルのイベントに?
大森 はい。(笑)
竹山 いろんなチームがいっぱい出ているようなところに出たわけだ?
大森 そうですね。(笑)一番大きい「東京アイドルフェスティバル」っていうアイドルのイベントに、ロックのイベント、ロッキンジャパンとかロックのイベントだけ色々アイドルに場を荒らされて、こっち側としては…まぁ私はロックのイベントに出れていないんですけど(笑)、アイドルばっかり好き放題にやりやがってって。アイドルは大好きですけど!
ロックが元気ないなってなっちゃって。
竹山 いろんなところで歌える場所があれば、行く姿勢があるわけだ。
大森 はい!
スパローズ お笑イベントもあったけど?(笑)
大森 お笑イベントもヒップホップイベントも何でも行きます!(笑)

竹山 いろんなところで、じゃあ歌えるなら行く姿勢があるんだ
大森 そうですね。ギター1本あればいけるんで。ギャラも1人分でいいんで。(笑)

竹山 あと、分かんないんだけどさ「一生道重」ってハッピ着てたけど、道重ってモー娘の道重のこと?
大森 道重さゆみちゃんです。
竹山 なに?ファンなの?
大森 ファンです。大ファンです。もう、なんかアーティスト、芸術的。存在が。(笑)
竹山 なんで?アイドルじゃん、向こう。
大森 そうですけど、なんかアイドルに対する想入れが凄まじ過ぎて、可愛いへの憧れが凄過ぎて「可愛い」が過剰になっているっていうか、
竹山 誰が?道重が?
大森 道重さんが。もし、、ロックミュージシャンとして生まれてたら「自分は27歳で死ななければならない」と思って死んでるタイプだと思います。
竹山 誰が?(笑)
大森 道重さんが。
竹山 ちょっとさ、言葉の端々に道重をバカにしてるように感じんのよ。(笑)
大森 してないです、大好きです!(笑)良さを伝えなきゃと思って!
竹山 ホントに好きなのね?どっち?
大森 大好きです!
竹山 それは道重さゆみというあの子がちょっと面白いと思って見てるのか、ホントに好きなのか。
大森 好きでしょうがないです。
もともと、歌が音痴なんですよ。
竹山 誰が?
大森 道重さんが。
竹山 ほら、おかしいじゃん!バカにしてるよね!(笑)
一同 笑
大森 自分で仰ってたんですけど、音程っていう存在を知らずに、『モーニング娘。』のオーディションを受けて、受かってしまい「音程ってあるんだ」ってなって、周りの人が歌上手くて、初めて自分で歌下手だっていうのを知ったって仰ってて、もうしょうがないからバラエティー頑張ろうって言って、頑張った結果がアレです。毒舌キャラ。
一同 笑
竹山 いや、好きじゃないでしょ!?(笑)
大森 大好きです!(笑)

大森 そのやり方がロックですよね。ロックなんですよ!(笑)
自分に足りない部分を考えたりとか、自分の憧れを引きずり下ろすっていうか、憧れの自分像とかがしっかりしていて、それに自分をはめ込んで努力する姿に感動しちゃって。
竹山 ああー、じゃあただのファンじゃないって感じね?人生の目標にしてるっていうか、こういう女性になりたいみたいな。
大森 いや、ただのファンですね。(笑)
一同 笑

大森 最近、道重さんが好きだっていうだけの曲を作って、そのためだけに橋本愛ちゃんにPVに出てもらったりとか。
藤岡 その曲ってアルバムに入ってる「ミッドナイト清純異性交遊」って曲ですよね?
大森 はい。
藤岡 どういうところが道重さんに捧げる歌なんですか?
大森 ファンの人が作るPVっていうのがYouTubeに勝手に上がることがあって、道重さん11年やっているんで結構な感動ストーリーなんですよ11年間の。それをパパパと映像で見せられる後ろで流れていたのがサカナクションだったんですよ。で、サカナクションより絶対私の方が道重さんのこと好きだよなって思って。で、サカナクションが良かったんで泣いちゃって。悔しかったんですよ。私が道重さんを魅力的に見せるような歌を1番作れなければならないはずなのにサカナクションの方がそれをやってると思って。私の方が頑張ろうと思って作ったら・・
藤岡 でも、だからと言ってそういう歌詞に聴こえないというか。
竹山 歌詞見ていい?

※数行歌詞を読み始める

竹山 ここまで読んだけど、全然道重出てこないね。
大森 あのー、「ときわ公園」とか道重さんの実家の近く公園で、私がストーキングした成果ですね
一同 えーーー!(笑)
竹山 ときわ公園って実家の近くなんだ。
大森 はい、山口の。
竹山 じゃあこれ色々、道重のファンが見たらいろんなキーワードがいっぱい入ってわけだ。
大森 そうですね。
竹山 「14才でみつけた桃色のうさぎ」っていうのは?それは大森さんが見つけたってこと?
大森 そうですね。
竹山 「いつまでも大きい瞳で大丈夫な日の私だけをみつめてよ」って、これは自分のアピールというか、道重さんに対して。
大森 はい、「大きい瞳」って曲があって。
竹山 あ、そういうのがあるんだ!
大森 見せ場みたいな曲があって。道重さんの。
竹山 居ないとダメなのね。道重が居ないとあなたの人生は、今のあなたは無いのね?
大森 はい、無いです。(笑)
竹山 アーティストになったのも道重が居たからこうやってなれたんだ。
大森 はい、そうですね。

【大森靖子 音楽のルーツ】
藤岡 まず最初に、音楽は初められたのは何歳くらいの時なんですか?
大森 あ、勉強できないから、だったら美大に行こうと思って。頑張って画描いて、で、東京に来て。やっぱり、憧れがあったから、いろんなLIVEとか見に行って。その時、銀杏BOYZさんとかがすごい東京でやってらっしゃったんで、見に行って。あ、かっこいいと思って。
竹山 その時はでも、あの、ばりばりロック聴いてたとか、すごいやってたとか、そういう感じでもないわけでしょ?
大森 ないです。
竹山 四国でバンド組んでたとか、そういうこともなく?
大森 全然ないです。
竹山 ギターは弾けたの、その時?
大森 ギターも全然弾けなかったです。19歳で始めました。

竹山 え〜。
大森 友達・・銀杏BOYZのLIVE見に行って知り合った友達を見に、「無力無善寺」っていうお寺なのか、LIVEハウスなのかよくわからない空間があるんですけど、高円寺に。そこに見に行ったら、「今日人数足りんから、お前歌え」みないなこと言われて。
竹山 えっ!?だ、だれに言われたの?それ。
大森 お坊さんです。
一同 笑
大森 無善法師です。無善法師という法師様がいらっしゃるんです。

竹山 え。その人なんなの?
大森 ハゲで・・
一同 笑

竹山 何だろ?オーナーさんなのかな?LIVEハウスの。
大森 そうです。
竹山 ハゲてんだ。で、その人のLIVEハウス「無力無善寺」ってところにいって。
大森 で、バーってやったら、5分ぐらいやったら、お前は美空ひばりになれるから、ここに毎月来るんだ。と言われて。そこから4年間そこでしかLIVEしてない(笑)
竹山 えー!
大森 でも、そこで出来たら、何でも、どこでも出来ます!
竹山 あー!はぁ、根性つくわけだ。寺だけに。やっぱり。
大森 はい。寺なんで、修行。

――なんか、絶対音感があるってお聞きしたんですけど。
大森 あ、そうですね。でも、あんまり何に使ってるかよくわかんない。あ、でもメモ!外で浮かんだことをメモしといて“ド”とか書いとけば、メロディわかるんで便利です。
竹山 作曲とか、全部そんな感じでやってんの?絶対音感て言われるものを使いながら。
大森 そうですね。たぶんそうだと思います。
竹山 え〜っ。すごいなあ。そういうのいいよねぇ。友達とか言ったらビビるでしょ。アーティストの人は結構多いの?そういうの。
大森 あんまり喋んない・・アーティストの友達いない(笑)
竹山 え、友達自体はいる?一番仲いい人だれ?
大森 一番仲いい人?え、・・・バンドメンバーとか(笑)
竹山 あ、バンドメンバーなんだ。
大森 美大でも友達ができなかったんですよね・・何でですかね?友達が欲しすぎて、一番人数が多い授業で、本当に友達がいなくて、誰も話かけてくれなかったんで、机にミニ四駆を置いといてみたんですよ。さすがに、これだけイレギュラーなら誰か話しかけてくれると思って。完全無視されました。100人以上に。
竹山 いや・・大森さん、友達ができない理由はそれだぞ。それが分かってないからだぞ。
一同 笑

スパローズ でも、見えないですよね。友達がいなさそうに。
藤岡 うんうん、友達になりたい人いっぱいいると思う、大森さんと。
大森 本当ですか?ちょー、超なりたいです!
竹山 女の子でさ、じゃあ・・みなみとさ、友達になってメール交換しようみたいになって、そんで、明後日ごはん行きませんか?みたいなのきた時、まず行く?
大森 めちゃくちゃ行きたいんですけど、絶対に行きますけど、でもなんか・・嫌われるだろうな、みたいのが働きます、やっぱり。女子全部、異生物だと思ってるんで。みんな美しくて崇高な存在だと思ってるんで。触れないほど崇高なんですよ。
竹山 神様みたいな感じなんだ。
藤岡 えー。本当に女の子に対する執着がありますよね、大森さん。なんか、すごいこだわりがある。なんか、作品の中にもそれが表れてるような感じがするんですけど、入れようって思ってるんですか?
大森 てゆうか、もう、みなみちゃんが革ジャンロックキャラみたいなのが辛くてしょうがない(笑)
藤岡 えっ!?
一同 笑

竹山 でも、なんか、あれ。言いたいことあるんでしょ?みなみに。
大森 はい。私とか、汚ねえバンドマンとかが、深夜行くとこがなくなって使う汚い中華屋が高円寺にあるんですけど、それの情報とかをTwitterで拡散してたりとか、なんで?そんなことしなくていいよ、みなみちゃんは!
一同 笑
スパローズ あー、見たくないんですね、そういうところを。
大森 そう。しなくていい子だよ!って(笑)
竹山 じゃあ、大森さんが思う、みなみはどんな感じになってほしいの?こういう革ジャンスタイルみたいのは似合わないって、正直お前そうじゃないだろって?
大森 あの、華として出て欲しい。
藤岡 でも、それって私ちょっとムカつく!
一同 笑
竹山 いーよ、大丈夫。おじさんいるからとことん話そう。
藤岡 華として出て欲しい。で、基本はでないで欲しいって、ちょっとバカにされてる感じ。さっきの道重さんの時もそうですけど、やっぱり崇高しているとか言って、ちょっと下にみてるんじゃないかなっていうイメージがあるんですけど・・あと、高円寺押しがダメなんですか?
大森 高円寺押しは、私は・・どうなんだろう?
藤岡 でも、それは、ちょっと言わせて欲しいのが普段あんまり言ってないんですけど、実家なんですよ、高円寺が。
一同 笑
藤岡 で、10年住んでるんで、しょうがない。
大森 でも、みなみちゃん、かわいいからっていう気持ちがあります。
藤岡 私、かわいいだけで仕事があるんだったら、全然そんなことやらないで売れてたと思うんで。
大森 (笑)確かに・・
藤岡 「確かに」って言わないでください!
スパロース:大森さんが一番、ロックなみなみちゃんのこと引き出してますけど。
大森 はい。みなみちゃんが一番ロックですね、今。
竹山 ゲストとケンカっていうね。亡くなったタカジンさん以来の番組ですよ。呼んどいてケンカっていうね。
一同 笑


【後半】
――大森靖子vs藤岡みなみ ガチゲンカから
大森 LIVEをみにいったら、最後コラボしようみたいなコーナーがあったんですよ。みなみちゃんとアイドルさんで。で、「え、なんで?」って言ってて(笑)なんだこの寸劇はと思って。
藤岡 すごい・・
一同 笑

竹山 舞台上でそんなのあったの?
大森 変なアイドルヲタ願望みたいのが出てるのかもしれないですね(笑)
竹山 女の子が好きで、女の子をいっぱい見てきてさ、それでいうとルックスもかわいいし、だからその、尖ったロックじゃなく、元気ですよ、かわいいですよというみたいのが、私は合うんじゃないかという一つの意見ね。
大森 はい。そう、汚れはこっちがやるんで、みたいな気持ちが(笑)
竹山 あ、私がやってることは、やっぱりちょっと汚れだと。女の子を神と崇拝するならば、私がやってることは、そういうことじゃないんだ、女の子が普通やってはいけないことを自分はやってるっていう。
大森 はい、そういう気持ちがありますね。やっぱり。
竹山 そういうのはあるんだ。それは何?どこで確立していったの?美大行ったとき確立していったとか
大森 中高の時ですね。私が中高の時って童貞ブームみたいなのがちょっとあって。色んな芸術とかみてても、文系少年とかそういうのが、認められていた時代だったんですよ。男の子の細かい、いろんな種類の・・で、そういうものがいっぱい作られてて、でもなんか、女子だけすごい可愛いこしか報われない青春のものばっかりだったんですよ。か、すごい芸人的におちゃらけて。で、どっちもやる気ない人は一体どうすればいいんだ?っていうのがあったんですよ。私の青春をだれか認めてよって思ってて。だから、そこが今、穴だと思うんですよ。それを私がやらなきゃと思ってて。
竹山 女の子の可愛い生き方でもない、芸人みたいなおちゃらけた生き方でもない、その真ん中。一番実は多いであろう感じの。
大森 そうそうそう。

竹山 美大行くとさ、普通は絵をやるんじゃないの?なんで音楽やったの?
大森 絵は描いてたんですけど、直接コミュニケーションとれないんですよ。LIVEをひょんなきっかけで始めたんですけど、大きい声だしたら嫌な顔するじゃないですか。「うっ」て。で、その反応が早いと思ったんですよ。すっごい嬉しくて。
竹山 あー。絵より早いと。音楽のほうが。
大森 はい。こんなにすぐ反応してくれるの?あんなに描けても、ミニ四駆置いても、誰も反応してくれなかったものが。
竹山 (笑)これだったら、自分が思ってる中間層というか、その表現を最もできるかもしれないと思えるのが音楽だったんだ。
大森 はい。スピードがあってます。
藤岡 その、女の子っていうテーマはどこから素材というか情報収集したりとかしてるんですか?
大森 もう見て。ブログとか、素人の。すごい、過剰な子が好きなんですよ。わかりやすいでいうと、ゴスロリの格好しちゃってる女の子とか。
竹山 あー。
大森 そのブログを見てた時、3年ぐらいみてたんですけど、「今日も電車に乗ったら女子高生に鼻で笑われた」とかそういうブログを書いてて。「大学で彼氏ができた。私がこんな格好して歩いているから彼女だということを内緒にしてくれと言われる、辛い」とか(笑)
でも、最後ゴスロリの格好をやめるんですよ。彼氏のために。やめたとき号泣しちゃって。
一同 笑

竹山 あと、なんか資料とか読むとさ、何?AVとかもみるの?
大森 あ、AV。好きですね。
竹山 え。そ、そっちなの?それよくわかんないんだけど。
大森 なんか自分にできないことやってるじゃなですか。やっぱ格好いいとかって。
竹山 あー、そういう目線でみるのね。その女の子が脱いで、そしてセックスをするなんてのはさ、なるべく見たくない瞬間と思うんじゃないかとおもうんだけど、それは自分の中では掟をやぶった感じにはならないの?
大森 可愛い上に、こんなことまでするんだ!すごい!みたいな。
竹山 それが格好いいになるんだ。それは、やっぱり憧れというか、尊敬に値するの?
大森 尊敬ですね。

【Over The Party 歌唱】

竹山 なんか、すごいっすね。歌、1曲の中に1つの舞台みたみたいな感じ。
大森 本当ですか?嬉しい!
竹山 1つの芸術というかさ。
スパローズ 話てたら、変わった子だなと思うけど、歌聴くと、やっぱり才能がすごいから。顔以上に可愛く見えるっていうか。
大森 (笑)あれでですか?
スパローズ いやいや。才能ある人だけ。
一同 笑

増子直純(怒髪天)

増子直純(怒髪天)「スペシャルロック対談」

竹山 宜しくお願いします!
増子 宜しくお願いします!
竹山 増子さん、初めてなんですけどね、実はしゃべってみたいなってずっと思ってまして。
増子 あらっ!ありがとうございます!
竹山 あるFMのラジオを朝聴いてたんですよ。
その時に「誰だこの人?面白いな。」って思ったら増子さんだったんですよ!
増子 ありがとうございますっ!
竹山 相当しゃべりが面白いというか、中身が深いというか。
増子 ありがとうございますっ!
竹山 この人と1回、じっくり話してみたいってずっと思ってて。
増子 あぁー、こりゃちょうどいいですね。みっちり話しましょう是非!
竹山 ですから、今日は非常に嬉しいですね。
増子 こちらこそ、ありがとうございます。

――ちなみに増子さんはどうですか?竹山さんの印象とかって?
増子 まぁロックは“キレ芸”ですからね。実は。
竹山 ロックは“キレ芸”?(笑)
増子 パンクロックはまず“キレ芸”でしょ?
竹山 まあ、そうですね。(笑)

VTR

【怒髪天30年目で武道館ライブ達成!】
増子 日本最遅ですよ。
竹山 30年で武道館をやったって人は?
増子 30年ですからね。たいがい、気づいて普通諦めますよ。(笑)
――笑
増子 もうホント、メンバーよりお客さんが少なかったりとかバンドブームが終わってから来ちゃったんで流行ってる間に行きたくない!つって「終わってからじゃないと行かないよ」なんて。


【北海道から上京・・・人気のない時代】
竹山 そん時は北海道では活動はしてたんですか?
増子 やってましたよ。
札幌ではねバンドブームもあって200~300くらいは入ってたんだけど、終わってから東京に来たらもう若者のユースカルチャーとしてライブハウスに行くのが1番カッコ悪いってね。
みんなクラブに行ってるでしょ?だから誰も来ないライブハウスになんて。
すごいですよ、2人とかね。お客さんが。こっち4人ですよ、メンバーは。
竹山 え?それ何で来たんですか?その時期に。
増子 やっぱり流行り終わってからね。流行りに乗っかって行くなんてカッコ悪いでしょ?
竹山 生き方として?
増子 生き方として。「ロックじゃないよ、そんなの」と思って。
ホントにあのー…、(流行りに)乗りゃよかったなって。(笑)
――笑

――増子さんもすごく苦労されているということなんですけども、今日はこんなものを準備してみました。ジャジャーン!増子さんの年表!

【1984年 怒髪天 結成】
――1984怒髪天、結成。17歳の頃ですかね?
増子 そう、17かな。高校2年くらいの時だね。
この頃、ちょうどねパンクムーブメントがやっと日本に出てきて。
我々の親世代だとエレキ弾いてると不良。一番の不良がやるのがパンクだった。
当時、もちろんヤンキー世代だから我々。中学校からヤンキーで。
最初に組んだ時、ドラムの奴、白塗りでパンチパーマだったからね。ホントに。
ハードコアパンチって呼ばれてて。パンクじゃなくてパンチだったっていう。(笑)
竹山 (笑)


【1985年 自衛隊に入隊。約2年間航空自衛隊で過ごす】
――1985年、自衛隊に入隊。
増子 そうです。親にハメられまして、もちろん進学も出来ない。
大学行けるわけないでしょ学校殆ど行ってないし。
だからウチの親父がね「お前に良い仕事を見付けてきてやったぞ」と年末に。
さすが親父だなと。バイトしながらバンドしようと思ってたんだけど。
で、研修が2ヶ月だけ自衛隊であったの。
その後、飛行機の整備やって休みもあるし。バンドも出来るよと。
さすが親父だなと思って。
もう全国からね、なかなかの奴らが集まってきた。北斗の拳みたいな状態。(笑)
成績で部隊の仕事を分けられるんで希望したところに入る。
俺は普通に名前は書けたんで、それでミサイル部隊に入ったんですけど、順番に資格を取っていって輸送部隊の奴から車の免許を取る。
レーダーの奴はレーダーの免許みたいのを取って、でもね辞めた後に何の役にも立たねえ。
だってミサイル持ってる企業ないでしょ?(笑)1つも無いっていうね。
――(笑)
竹山 じゃあこの2年間は怒髪天の活動は休止?
増子 やれない、やれなかった。


【1991年 メジャーデビューするも鳴かず飛ばずの活動が続く】
――1991、怒髪天メジャーデビュー。
アルバム「怒髪天をリリース」以降、鳴かず飛ばずの活動を続ける。

増子 最初にレコード会社に出した条件として“怒髪天”という題字を北島三郎さんに書いてくれと。北海道の大先輩だから書いてもらいたい。
あと、よく「ザ・ベストテン」とかで観てた山中湖のスタジオでレコーディングしたい。
竹山 あー、あった!山中湖のスタジオ!
増子 で、それを条件に出したらスタッフさんも「いいよ」って言うんで、「じゃあやろうか」って言って。北島三郎さんに書いてもらいましたよ。
当時のクラウンレコードの社長室に呼ばれて、北島先生が座っている横に社長が、メーカーの。並んで。役員と。
増子 そこに衣装で来いって言われて。
当時、すごい俺長髪で、ココにね、やっぱり日本の心だろってことで荒縄を巻いてたんですよね。
で、髭生やしてココに剃り込みもこれぐらい入れてて、この格好で行かなきゃいけねえのかなって思って。
それで行って、まあ書いて頂いて、「北の男だったら命懸けてやれよ!」って言われて「よしっ、やるぞ!」と思ったんだけど、もうサッパリね…。
鳴かず飛ばずも良いところ、バンドブームも終わってるし。


【お客2人のライブ】
竹山 デビューして、ライブやるじゃないですか?オープニングでも仰ってましたけど、(お客さんは)少ない時期ですか?メジャーデビューしても。
増子 初めてツアーやって、それこそ前橋行った時も(お客さん)2人で。
で、後にその2人が東京出てきちゃって、前橋に行く用事が無くなったっていうね。(笑)
――(笑)


【所属事務所が2週間で倒産】
竹山 どうやって暮らしてたんですか?給料制なんですか?
増子 もちろんバイトして。上京して最初、事務所があって。
その事務所の話だと所沢にワンルームマンションの下にねスタジオがあるところをメンバーに一戸ずつ与えるからみたいな話で、「やったー、これで専念出来るぞ!」みたいな気でいたら、(上京して)2週間で事務所が潰れて。
「嘘だろ、おいっ!」っていう。それでまあしょうがないから「じゃあバイトすっか」みたいな。
だって世の中にね毒吐いてっていうか、当て擦ったこと言って、それで金もらおうなんつうのはね、もう太てえ野郎ですよ。(笑)
「言いたいこと言ったら働こうや」っていう感じだった。(笑)
竹山 (笑)


【1995年 4年ぶりのアルバムリリースしR&E(リズム&演歌)の名乗りを上げる】
――そして、1995年 4年ぶりのアルバムリリースし「JAPANESE R&E(リズム&演歌)」の名乗りを上げる。
増子 はいっ!ちょうどこの頃ねジャパニーズR&Bみたいなのが流行ってきて、いわゆる、ブラック・コンテンポラリーみたいな感じのが流行ってたんだけど。
「お前、ふざけんなよ」と。「R&Bってこういうもんじゃねえだろ」と。
もっとソウルフルなね、「もっと土着的なもんだろ」と。
いわゆるブルースってね、日本でいうと間違いなく演歌だからって。
青江三奈さんとか、淡谷のり子さんとかがブルース、あれこそがブルースですよ!ジャパニーズブルース。で、やっぱり音楽スタイルもそうだし、スピリット的なね。
そこをちゃんと入れていかなきゃ、日本のロックは成立しないってことで、まあ多少の当て擦り付けつつ「リズム&演歌」。


【1996年 活動休止(数々の職業を経験)】
竹山 ここで(1991年)出して、4年ぶりに2枚目がここ(1995年)ってことですか?
増子 そうですね、もう何にもやってない。バイトして酒飲んでたっていうね。
もうそん時、インディーズに戻ってたんで。メジャーそれ1枚出した時、「事務所も潰れたしもういいや」と思って。「続けますか?」って言われて「いや、もう辞めるわ」つって。「自分等でバイトしながらやるよ」つって。
それでやって地道に。4年して「じゃあ出そうか」みたいな。
竹山 じゃあ2枚目出す時は固まってたんですね、増子さんの中で考えが。
増子 そうですね。そうそうそう。もう働きながらやって「これしかねえだろう」みたいな。

――1996年、活動休止
増子 ちょっと煮詰まったなっていうのを。やっぱり、人も来ないし。
言いたいこと言うんだったら、普通に飲みに行って隣にいる奴に言った方が伝わんじゃねえのかみたいな。
あとやっぱ、まあちょうど30になる頃で、今までバンドしかやってなかったから、ちゃんと1回働いてみようかなみたいなのもあって。
竹山 それはもう、ミュージシャン自体を辞めようと思ったのが30ってことですか?
増子 そうですね。

――もうすごい色んなことを経験されてますね。工事現場、プロレスのリングアナウンサー、穴あき包丁の実演販売など
増子 はい。やりましたねえ。
まあ、なんとかこう、肉体労働にはねやっぱり、あのー、ガタイ的に向いてないんで、やっぱりしゃべりの方を。が、いいかなと思って。

――まだ覚えてますか?穴あき包丁(実演販売)。
増子 もうだいぶ忘れたけど、家庭用品売り場とかでトントントントンってやってね。
「お母さん、お家の包丁切れる?」なんつってね、「切れる、包丁?切るって言わないのよ、引くって言うのこれ。これちょっと触ってごらん」つって。
「のっけて、ちょっと引いてみて。引いた。ほら切れたー!」ってね。
――(笑)
増子 そう。「今日はお刺身高いからスポンジ」なんつってね。(笑)
――(笑)
竹山 何きっかけでその職に就こうと思ったんですか?
増子 これね工事現場でバイトしてた時に、ガードマンのおじさんと仲良くなって、「俺、知り合いで、穴あき包丁のすごい有名な人いるから紹介してあげるよ。そっちの方がむいてるよ」で、「弟子に入んなよ」なんて言われて、「じゃあ、楽しそうだから行ってみようかな」みたいな。
で、それで修行してってか、色々と着いて周って、そっから自分でも現場周らしてもらって、学びましたよ結構。
それまでは、やっぱパンクバンド上がりで世の中の奴はもうねえ、「サラリーマン、歯車、社会の歯車だー」とかねえ。
そんなことばっかり言ってきたでしょ?でもやっぱりそうやって実演販売やったりして、色々話していくと「なんだ、おい!」と思って、「誰だ、そんなこと言ったの」って思って。
「みんな良い人じゃない?みんな俺を信用してこれ買ってってるよ、おい」みたいな。
やっぱり色々考え方が変わって。
竹山 パンクロッカーとして若い頃ずっと「お前らよ、社会の歯車になるんじゃねぇぞ!」って言ってたのに。(笑)
増子 やっぱね実体験で変わるもんで、だからもう今までのこと恥ずかしくなっちゃって。
もうなんつーかこう、子供のわがままみたいな。だだこね大会みたいなね、ものに見えちゃって。
竹山 社会って素晴らしいと。
増子 給料もらえればね、正社員になればカードも作れるし、保険も入れる。
ローンも組めるっていう。すげえなこれ!っていう。
「これはみんな働くわって」って思ったもん。
竹山 何パンクなんかやってたんだと?(笑)
増子 30過ぎてからですけどね。
竹山 成績は良かったですか?実演販売は。
増子 師匠もよかったから。割と売れましたね。
モノがいいんでね。やっぱり。モノは間違いない!(笑)


【12年間続けていたバンドを休止。生活が楽になった】
――12年やってた怒髪天が休止になるってことはツラくはなかったんですか?
増子 楽になったね。楽になった。
やっぱりほら、メンバーと楽しくやりたいっていう。バンドを。
っていうとこから始まってるから。やっぱりメンバーと行き詰ったり、つまんない雰囲気になったり、お客さんが入らないが故にね。
で、やっぱりそれでつまんなくなっちゃったってのもあるよね。
竹山 そうですね、上手くいかないとね。上手くいってる時こそ、みんな嬉しいですけど。
増子 そう。 1つくらい上手くいかないと。何にも上手く行かないとやっぱり。


【バンド休止中の恋愛事情とは?】
――ふと気づいたんですけど、プライベートの方はどうだったんですか?
増子 プライベート?

――女関係とかは?
竹山 言い方…(笑)
増子 これね、でもバンドやってる時よりも、普通に暮らしてる方がねモテるよ。

――ちゃんとした職がある方が?
増子 そうそうそう。やっぱりバンドやってる時、長髪に、やっぱり荒縄にね髭に剃り込みじゃちょっとやっぱりね。

――じゃあこの時代はモテて?
増子 この時代の方がモテた。普通の格好してるからね。スーツとか着てるから。
俺はこん時思ったね、格好大事だなって。
竹山 聞きようによっては、どんどん社会に染まってますよね?(笑)
増子 そうそうそう。(笑)
初めて、でもそういうのを知ったっていうか。「社会すげえな」みたいな。
竹山 30過ぎて初めて知った?(笑)
増子 初めて知った!

――さあ、そんな増子さんが社会に対して心の扉を開いた後、1999年活動再開。


【1999年 活動再開したワケとは?】
竹山 何があったんですか?社会のこと知って、飯も食えるようになって。
なぜまたやろうと思うんですか?
増子 もともとのメンバーから電話がある日来て、「もう、田舎帰るのかな?いよいよ」って思って。
思ったら「いや、もう1回やりたい」つって、「バカか?」と。
「俺、今、俺の暮らし知ってるか?」と。「昔の俺じゃねえぞ」と。
「ローンも組めるんだよ?」「保険にもなんと、2つも入ってるぞ!」(笑)
――(笑)
増子 「その俺がね、またあの貧乏な暮らしに戻りたいと思うか?」と。「やんねえよ」と。
「いくらやったって誰も聴かねえんだから、やんねえよ」と。
「いやでも、いいじゃん。楽しかったじゃん」って。
「また楽しいのだけやろうよ、何か目指すとかじゃなく」飲んでたんで、飲まされて「まあ、趣味だったら良いかな」みたいな。
竹山 増子さんが働いている時期、他のメンバーさんは何やってたんですか?
増子 ギターは現場仕事しながらスタジオミュージシャンとかもやってて、いろんなバンドのサポートやったり。
ベースは他の友達のパンクバンドに入ってやってた。
で、うちのドラムはとび職ついて、これまたね月収55万くらいもらってたね。
あの野郎はね、稼いでましたよ。で、ドラムも全然やらないで、たまに弾き語りしてたって意味が分からねえ!「お前、ドラムだろ!」ってね。(笑)


【2000年 活動再開後インディーズCDリリース】
――そして、活動再開してインディーズ版「怒盤」をリリース
増子 「遊びでやろう」つってたんだけど、新曲作っちゃうとねやっぱりまたダメで。
「良い曲出来たな、コレみんなに聴かせないとマズイんじゃねえか?」と。
竹山 活動再開したらね、曲作りたくなるもんですよね。
増子 そう。それで結局、後に仕事辞めることになっちゃうの。
やっぱりバンドにシフトしてっちゃって。


【再ブレークのきっかけは人気バンドのオムニバス】
――2004年「握り拳と寒椿」をリリース。メジャーフィールドに活動を移す。
竹山 2000年〜2004年はインディーズでCD出したりして、めちゃくちゃ頑張ってたんですか?
増子 頑張ってましたね
2000年の時に友達のバンドが、eastern youthってバンドがオムニバスを出して。
当時すごい動員のあったバンドなんで、そこに入れてもらってライブやってから動員がすっごい急に伸びるようになって。
だから最初びっくりして「やってることはそんなに変わらないのに、何で?」っていう。

――活動休止前と休止後とかでロックに対する心構えなど変わったりしましたか?
増子 やっぱりそのお題目。いわゆるロックはこうでなければいけない。
パンクはこうでなきゃいけない。反社会的であったり、いわゆる反骨精神だとかっていうものではなく、より自分に近いものっていうか、自分の実体験から出たものじゃなきゃ、やっぱ血の通ったもんじゃなきゃ力入らないなってあって。
もうカッコ悪くても自分の思ったことちゃんと書いていこう。社会に出て色々分かったし。
若い時の無茶はね、誰だって出来るんですよ。いい年こいてから無茶するのが、これ醍醐味で。それが面白いという。
竹山 ここ(仕事をしていた時期)がなければ、今は絶対ない?
増子 ないですね。ない。
竹山 この時期(仕事をしていた時期)があったから、今の音楽が出来ると。
増子 そうですね。今となって考えればね。


【ロックの世界を離れたからこそ 今のロックがある】
竹山 今の若いバンドの兄ちゃん達がね「日本はダメだ」とか「バカヤロー」とか言ってると笑っちゃうでしょ?
増子 その元気もいいですよ、いづれ気づくから。
その時にしかないアツさってあるじゃん。それはね、人に言われて気付くもんじゃない。
で、それを見てると昔の自分を見てるみたいでキュンときちゃうね。
「キャー」みたいな。「それ言っちゃうの」みたいな(笑)
――(笑)


【2014年 怒髪天 結成30周年 日本武道館】
――そして2014年、今年!怒髪天 結成30周年記念 日本武道館公演“ほんと、どうもね。”開催!
増子 まさか30年でね、出来るとはね。最初はホントやりたくないって言ってたんですよ。
そんなねデカいとこでやってもしょうがないだろと。だけどまあ、30年に1回ですから。
赤字になったらまた働いて返しましょうよみたいな。
竹山 30年に1度って仰いますけど、今後もあるでしょ?動員も増えるし。
増子 いやー、でももういいですよ。
竹山 でも全国はどうするんですか?各地にファンがいて、全国各地で動員が増えるじゃないですか?
増子 まあ、ふさわしいハコでね。


【苦節30年の武道館ライブを終えて・・・いま想うコトは?】
増子 30年続けていればヒット曲がなくてもね、打席に立ち続けてればデッドボールでも出塁するよということを体現したら、これから後の若いバンドのちょっと夢になるでしょ?
竹山 これどっちなんすか?増子さんの思う、やり続けた方が良いのか、切り替えた方がいいのか。
増子 それはやりたいことをその都度やっていくということが1番なんで。
そんなん決める必要ないと思うね。やりたきゃ、やりゃ良いし。やめたきゃ、やめりゃ良いし。
でも、自分のその物語っていうのは、自分の人生を物語にすると、例えばトピックがバンドだけではない。色んなことがあって自分の人生っていうストーリーが出来ている。
でもそれの自分のストーリーをバンドに重ねたいと思うのであれば、続けていかないとそのページが進んでいかない。最後がどんな結末になるのかっていうのが、最後まで読めない。
ページが途中で終わっちゃうでしょ?だから、それを読みたいのであれば続けるべきだし。
だけど、なんかこう、妙にこう期待してやっちゃいけないね。
売れたいとかモテたいとかね。金持ちになりたい。バンドはそんなんじゃないから。
竹山 自分の信念というか、バンドやりたいならバンド。お笑いやりたいならお笑い。
役者やりたいなら役者。っていうことですね。
増子 そう。

大槻ケンヂ

大槻ケンヂ「スペシャルロック対談」

カンニング竹山 どうも。
大槻 宜しくお願いしまーす。
竹山 お久しぶりです。
大槻 お久しぶりでございます。
竹山 何かこの子が、藤岡みなみっていうんですけど、

――ファンです!!!
大槻 僕の何のファンですか?

――あの、1番最初に、小学校のとき中野に住んでたんですけど、そこの図書館に偶然行って、変な名前だなーって、あ、ごめんなさい!変わった名前だなーって思ってCDを借りて、クラシックと思ったら全然違って。はい、そこからもう・・・
大槻 そのアルバムタイトルって覚えてます?

――覚えてないです。あ、けど「日本印度化計画」は入ってました!
大槻 あー、色んなアルバムに入ってるんだよね・・・。
竹山 (笑)
大槻 うん、そう。ありがとう。嬉しいです。

――それで、その曲聴いて、すごい感化されちゃって!
大槻 高円寺とかね、出てくるんですよね。

――それで、人生を狂わされたんです。オーケンさんに。
大槻 あー(笑)。

――高円寺ってインドカレー屋さんがスゴい多くって!調べたら全部で12軒あったんです、当時!それで、やっぱり日本印度化計画進んでる!って思って、1軒1軒聞いて回ったんです。「何で高円寺なんですか?」って。そしたら全員ネパール人だっだんです。
竹山 (笑)
大槻 へぇー。ああ、そう。

――そうなんです。だから私、すごい調べて、先に裏付けを取ったんですよ!調べによると、杉並区にはインドの英雄のスバス・チャンドラ・ボースっていう人の墓があるんですよ!
大槻 スバス・チャンドラ・ボース?何やった人?

――インドの革命家なんだって!それで、だからみんなその墓に少しでも近づきたいんだ!
竹山 何でインドの革命家が杉並に墓持ってるわけ?

――わかんないんだけど、そこで写真撮ったりしたんだけど、ネパール人だから全然関係なかったんです。
大槻 へぇー、そう。おもしろかった!
竹山 けど1回ちゃんと調べた方が良いですね。

――じゃあVTRいきますか?
竹山 今日は高円寺、中野の話をする回じゃないからね。

VTR

――大槻さんにロックについてお伺いしたいのですが。ズバリ、ロックとは?
大槻 特定の団体の方から、勧誘された時に「いや、自分にはロックという信仰があります。」と言って、断るアイテムとして使っていますね。

――(笑)使い道はそこなんですか!
大槻 だって俺は、別に運動も出来ないし、勉強も出来ないし、何にも出来ない、大学も2浪して中退しちゃったし・・・本当にロックやってなかったら今頃絶対、いわゆるニート47歳だろうな。絶対バカな事やって、6時のニュースに捕まって出てくるっていう。うん、なってますよ。あれだよな、ベンジーさんみたいな人とか、あるいはダイヤモンドユカイさんみたいな人とか、GACKTさんとかはロックな人っていうイメージあるじゃない?

――うんうん。
大槻 意外にロックの人の語られない裏側っていうのが・・・

――聞きたい!
竹山 それ、教えて欲しいんですけど、絶対僕等素人が勝手にイメージするロックといったら、もう本当に常に革ジャン着てだとか、ハーレー乗ってだとか、これがロックだ!みたいな感じの人を想像するんですけど、それだと社会生活には馴染めないと思うんですよね。色んな傷害が出てくると思うんです。
大槻 うん。そうだね。
竹山 で、実際ステージではロッカーなんだけど、普通の生活はどうしてんだとか、ONとOFFのところがあると思うんですよね。
大槻 ・・・地味よ。

――(笑)。楽屋入って、「せめーんだよ!ここ!」とか言わないんですか?
大槻 言わないよ(笑)。いやいや、言いたいんだけど。ラモーンズとかクラッシュとかね、そういうのが好きそうな革ジャン着てそうな人たちとライブやったんです。もうみんなモヒカンで、全身入れ墨で革ジャンの人たちなんだけど。楽屋がスゴい狭いところだったの。それでそのバンドの25周年記念だから色んなパンクスたちが集まってたのよ。そしたら居るとこ無いじゃないですか。そこに座ると他の人が座れないでしょ。だから立ってんの。

――(笑)
大槻 立って用意して。「どうぞどうぞ」って。ダチョウ倶楽部みたいに譲り合うの。
竹山 そんなの喧嘩になるんじゃないですか?イメージだと「どけや!」みたいな。
大槻 いやいや!なんていうのかな、東京オリンピックがきてさ、日本人の奥ゆかしさってのを知りたいんだったらパンク大集合の新宿LOFTの楽屋に行ったら良いと思う。
竹山 どうなんですか(笑)。格好はスゴいでしょう?
大槻 新宿LOFTは楽屋が2つあるんですけど、2回の楽屋がね、狭くてトイレが奥にあるの。だからトイレに行く人とかは、「すいません、ちょっとトイレ行くんです。」ってモヒカン革ジャンの人が。それで椅子に座ってるモヒカン革ジャンの人が「ああ、はいはい。」って足をこう上げるんだ。ほんとだよ。だからみんな良い人なの(笑)。


【実はマジメなロックミュージシャン】
竹山 特にこの人ギャップあるよ、地味だよっていう人はいるんですか?
大槻 何も変わらないのはダイヤモンドユカイさん。もう、本当に変わらない。
竹山 今偶然同じ事務所で、ユカイさんと色々喋ったんです。僕等が少年時代にレッドウォーリアーズ見てた訳ですよ。本とか雑誌とか見ると、まぁ暴れ者だと。ホテルの部屋も「狭めぇ!」って言ってブチ壊すし、メチャクチャだと書いてあって、ユカイさんに聞いたんですよ。そしたら確かに23歳位の時はやっちゃったと。色々結婚したりなんだかんだで、27位の時に悟って、人間が違うって言うんですよ。
大槻 うんうん。・・・いいですか。何で変わったかっていうと、若い頃はむちゃくちゃやんちゃしてたんですよ。それはなぜかというと、ロックっていうものが、ロックバンドで若者が食って行くっていうのはちょうどユカイさんの始めたレッドウォーリアーズ、それから数年後にデビューした筋肉少女帯。僕等位からなんです。それ以前は無かったの。全く無かったの。本当の裏街道を歩いているような人しかバンドはやってなかったの。

――へー。
大槻 ちゃんとお仕事になってたのは、サザンオールスターズと、世良公則&ツイストとゴダイゴくらいなもんで。
竹山 じゃあそれまでは若者がバンド組んでライブハウス出たところで、食えるまでに行かないのが圧倒的だったと?
大槻 それはもう有り得ない世界だったね。だからもう俺は、学校も辞めて、アメリカ大統領になるよみたいな話。

――(笑)
大槻 「は?何を言ってんの?」っていう。で、僕等位からそれが可能になってきたんですよ。けど、モデルケースが無かった訳。バンドを始めてどんな振る舞いをして良いのだか。だからそのモデルケースは外国のロックバンドだけだったんです。当時ネットが無いから外国のロックバンドの話って言うのは、これくらいがこれくらいに盛って入ってくるわけ。
竹山 はいはい。うわさうわさでね。
大槻 例えばストーンズが宿泊先のホテルからテレビを投げ捨てたとか。グルーピーを沢山呼んで、ツェッペリンだったかな、女性のそういうところに魚を入れたとかね。ドラッグで大変だったっていうのを聞いて。まじめに憧れていたから、そうしなきゃいけないんだって。

―― (笑)えーそれで。
大槻 それでまずツアーに行った時に、泊まる部屋のドアをあけて。「はっ!テレビ投げなきゃ行けないんだ!」これは全員思ったの!それで「どうするこれ?」って話し合って配線とかあるから「抜いてみよう」ってなって。2 人とかでテレビ持って。それでビジネスホテルだからいざ窓を開けようとしたら、30度位しか開かないんだよね。

――(笑)
大槻 「よーし行くぞー!!!・・・出ないよ」って(笑)。ほんとそんな感じだった。
竹山 無理矢理伝説を作んなきゃいけないみたいな。
大槻 酒もとにかくガンガン呑まなきゃいけないんだと思ってたし、ドラッグとかも体験してなきゃいけないんだと思ってたよね。なんかオネーチャン関係も荒れ狂わなきゃいけないんだっていう。
竹山 それが俺たちが聞いていたロックなんだということですか。
大槻 それでストーンズとかの今を見たら、ミック・ジャガーとかライブに備えて走ってたりするでしょ。だからその世代の人たちは若い頃無茶しすぎて死んじゃったりしたから、そういうのを見て色々変更していくわけですよ。


【語らない武勇伝】
大槻 うーん、僕ね、もう過去のそのやんちゃな武勇伝っていうのを語らないようにしたんですよ。ネット以降ですね。

――あー。
大槻 やっぱりネット以前はロッカー、芸人さん、あとプロレスラーそういう人の盛った無茶話を聞いてみんな楽しむっていうエンターテイメントがあったんですよ!
竹山 うん、ありましたありました。
大槻 ところがネットになってから、そういう話をすると普通に炎上するんだよね。ボケてんのに何で怒られんの!?
竹山 自分が思っても無い大問題になっちゃって。結局なんで謝罪しなきゃいけないんだよ、こんな面白い話で。
大槻 そうそう。なんにも美味しい事が無いのでやめましたね。
竹山 例えば昔の筋少の頃、やんちゃしてたときありましたよね?
大槻 うん。
竹山 その中で、今あえて止めているような話ってあるんですか?
大槻 いやー、ありますよ、いくらでも(笑)。
竹山 例えば!例えば何か出せる話を!
大槻 言えないなーもう。だから、ここは徹底的にキャラを変えていかないともうダメなのよね。俺はこれはね、『的場浩司さんの法則』と呼んでるんだけどね。

――なんだなんだ(笑)
大槻 的場さんってさ、昔けっこうやんちゃで有名だったじゃない?結構率先して喧嘩の話とかしてくれたの。「打撃は全部無視して後ろに回ってチョーク!それで絞め落とす!」これね、UFCっていう大会が始まる前のホイス・グレーシー登場以前に、的場さんは総合格闘技のセオリーを作ってたんですよ!それで「それはスゴい!」って言ってたんですよ。ところが、的場さんもネット以降だろうね、やんちゃ話をいくら言っても百害あって一利無しってわかったんだろうか、一切言わなくなったね。ふってもはぐらかす上に、「それより僕はスイーツだ」って。

――えーーー!いや、オーケンさん、叩かれるのが嫌なんですか?
竹山 いや、わかる!叩かれるのがいやだとかそういうのじゃなくて、めんどくさくなるんですよね!なんで面白い話が、謝罪の方向に行くの?とか。
大槻 ロッカーの武勇伝なんてのはバカ話なんだから、楽しんで欲しいんだけど、今、それは誰も楽しんでくれない。

――いや、楽しんでる人もいると思いますよ!
大槻 いや、わかったんだけどね、特にオネーチャン関係。そりゃ昔FUCK隊なんてのがいて(笑)
竹山 なんすか、それ(笑)
大槻 追っかけの中の強烈な子たちで、バンドマンと関係を持つのが目的、それがステータスな女の子が、特に北海道にいたんですけれども(笑)。

――(笑)
大槻 ミュージシャンも、本州越えたらあとは治外法権というか。それでFUCK隊の子たちがいてね・・・・結局言わされてるじゃねぇか!!!

――でもあれですね。その話は引きますね。
竹山 え(笑)?


【知られざるロックの表と裏】
竹山 大槻さん、さっきの武勇伝じゃないですけど、表と裏とかで他にも突出した人っているんですか?
大槻 表と裏で?あのねー、皆さん、世に出てるミュージシャンだけが売れていると思う事があるだろうけど、スゴく金銭的にもうけている方で、ギターもメチャクチャ上手くて、色んな人のバックバンドをしたり、CDに入る音源を作ったりして、表に出てこない人も多い。意外とそういう人知らなかったりすると思いますよね。焼き鳥屋さんとか古着屋さんとか経営して、それでむちゃくちゃもうけている人もいますしね。
竹山 あの、スタジオミュージシャンって人がいるじゃないですか?あれはCDとか作ったりするとき演奏する方でしょう?
大槻 そうです。
竹山 ホープ軒の近く大きなスタジオあるじゃないですか?
大槻 青山の!
竹山 そう、そこよく通るんですけど、いつもね、外車がびっしり停まってるんですよ。だからここにはそんなに毎回スターが来てるのかと思ったんですけど、そういうスタジオミュージシャンでめちゃめちゃもうけてる方もいらっしゃるてことですかね。
大槻 あのねー、バブルの頃はスゴかった!とんでもないお金を貰ってた!1曲いくらってのもあるんだけど、当時はチャンネルごとに音を入れている事があって、パーカッションの人は1チャンいくらだったね。

――へー。
大槻 例えばマラカス1つでいくら、ボンゴ1つでいくら貰う、コンガ1つでいくら。だから、パーカッションの人は交渉するんだよね。「あ、これ、コンガいるんじゃないかな?」って(笑)。「うん、聴こえてくるな、コンガ!」って。当時はバブルだったからね(笑)。


【今後の活動は?】
竹山 大槻さん、音楽的にはこれからどういうビジョンなんですか?
大槻 えー。特撮と筋肉少女帯をガンガンやって行きたいと思ってますね。且つ、2014年は弾き語りのライブもまわってみようかなって。若いうちってあれもやりたいこれもやりたいって健全な事から邪な事まであるでしょう。だんだん大人になってきてそういうものが1個1個減っていくんですよね。どんどんソリッドになっていく。で、自分のやりたいことはライブだけっていうのがわかって。もうライブ以外やりたい事が何も無いんですよ僕。なんか、アドレナリンとかの中毒だと思うんだけどね。

――あー、なるほど。
大槻 だから心の折れる事もあれば、こんだけキャリア積んでこんな目にあうのかよっていうこともあるんだけど、それをも含めてやっぱりライブが好きですよね。
竹山 じゃあそれに向けてちょっと動いている感じですか。
大槻 他にも特撮も筋肉少女帯も体力を使うハードロックなので、疲れないバンドをやりたいな・・・(笑)。

――(笑)
大槻 体力的に!

の子

の子「スペシャルロック対談」

カンニング竹山 初めてですよね?
の子 初めてですよ。当然じゃないですか。始まったばかりでしょ?
竹山 いや、会うのは(笑)
の子 あ、会うの。初めてです。
竹山 俺、でもね・・・
の子 俺は・・・、あ、えっ、どっちから・・・?
竹山 どうぞどうぞ。
の子 あっ、けど、俺は何度もテレビで見てきてるんで。エンタの神様はじめてとしてね。
そこらへんでわっちゃわっちゃしてるのいっぱいみてますよ!
竹山 いや、実は俺も、神聖かまってちゃんを動画で結構見てる!
の子 えっ!マジっすか!?
竹山 そう。なんでかって言うと、うちのカミさんが、ロックとか好きな人で、色んな若いバンドさんの、まぁカミさん45なんだけど、
の子 奥さんいるんすか?
竹山 カミさんいる。俺実は結婚してるから。
の子 良く出来ましたね?(笑)
竹山 うん。みんな言うのよ。世の中的には、俺けっこう勝ち組なのよ(笑)
いや、だから、本当のことを言うと今日いっぱい聴きたいことあるわけ!

――時間ありますから。そんな神聖かまってちゃんの動画をまとめたものが・・・
の子 え・・何ですか、この2人・・?(笑)

――えーーー!?(笑)
竹山 この2人を何だって言われると、1人はバーターで、もう1人は大人のつながりです。
仕事ってそうやって決まってんだよ。

VTR

の子 いや、くだらないっすねー。
竹山 あれは呑んでるの?
の子 あれは呑んでました。誕生日配信だったんで、みんなもうベロベロに酔ってましたね。あそこまでやったの覚えてますね。
竹山 あ、じゃあ酔っぱらってやってんだ。
あれもあるよね。マクドナルドでやってたよね?動画配信。1人でやってた。
の子 大体1人でやってます。全部が作品だと思ってるんで。外配信も含めて。今のはくだらないですけど。ちゃんと外配信で、今の自分を、この何か悩みだとか怒りだとか溜まっているものがそういった表現として作品となればいいなと思って。そういう時はちゃんと配信の終わりとか、どこでオチをつけるか考えて。だから始める前にちゃんと台本を考えるんですよ。
竹山 はー。そういうことなんだ。
の子 はい。だから初めとかはネットで爆発するきっかけになった、パソコンもって交番に突撃するみたいなのやってたんですが、今でこそみんな、当たり前にやってるんですよ。
けど、そのときは誰もやってなかったんで。誰もやってないからこそ、いつかどうせみんなやるだろうと思ったからこそ、先にやったもん勝ちっすよね、こんなこと。

――へー。じゃあ自分で考えてやってるんですね。
の子 そりゃやってる最中は怖いですよ(笑)。もう本当に。

――じゃあ、自分との葛藤があるんですね。
の子 いやいやいやもう、作品のためなら自分を犠牲にしてでも作りたいっていう、カッコつけもあるんですけどね。
竹山 そういう考えを持ってやってんのね。俺、それスゴい事だと思うわけ。音楽以外も全部作品として作り上げることって。一アーティストとして。・・・それはわかるんだけど、疲れねぇ?
の子 疲れてるほうだと思いますよ。
竹山 うわーーー!ってなっちゃわない?
の子 うん。なります。いっぱい。けど、何もしません。ただ寝る。寝るって言う事を学びました。寝てリセットして朝起きたらクリアになってるんで。
あと、多分僕は時期があるんです。上り下がりの。
竹山 喋ってみると・・・意外と喋られるんだね、ちゃんと(笑)。
いや、俺さ、ちょっとビビってて。やべー、スタンガンとか持ってんじゃない?とか。
あれだね、芸術肌というか、作り上げる人なんだね。

――実際私、昨日寝れなかったですもん。資料とか見て。
の子 嘘つくな(笑)!
竹山 この子、全然ロックとか知らないんですよ。
の子 俺この分野、お笑いの人もいると思ってるんですけど、本当にカメラ越しに見てぶっ飛んでる人って、マジでぶっ飛んでたら俺はショックですもん(笑)。
竹山 俺も、自分の口からはあんまり言いたくないけど、まず個人的にぶっ飛んだ奴が好きなんだよ。それで、俺コンビ組んでて、くっそつまんない漫才やってたわけ。で、売れねーし、食えねーし。それで何か新しいの考えなくちゃいけない。それで自分たちが一番好きな、街でぶち切れてるおじさんとか酒飲んでぶつくさ言ってるおじさんとか、そういうのが一番面白いと思ったわけ。それでああいうことをやってたわけ。
の子 はー。
竹山 それでそれが当たったんだけど、街で実際会ってみたら本当にそういう人だとショックなんだよね。何やってんだよ、お前って。
の子 まぁ、実際そういう人もいますよね。内田裕也さんとかそうなんじゃない(笑)?
いや、知らないですけど!会った事ないですけど(笑)!
竹山 俺は裕也さん番組に来て欲しいとおもってるんで。


【過激パフォーマンス】

VTR

――色々とあるのですが、まずあのパソコン壊しというのは・・・?
の子 大体パソコンの壊れ方ってカッコ良いじゃないですか。
竹山 いや、わかんないでしょ(笑)
の子 1回高いパソコン買って壊したらすごくカッコ良くて。そうしたらまた壊したくなるじゃないですか。
竹山 けど、あれ配信中でしょ?あれがないと出来ないんじゃないの?
の子 でも、なんだかんだであれは最後の方の曲でしたから。
竹山 あれはもともと誰のなの?会場の人?スタッフ?
の子 あの時のは僕のです。困りますけど、それ以上に、壊れたそのものを見せることがカッコ良いですね。

――そういうのは考えてるんですか?
の子 はい。
竹山 自分の中で?
の子 はいはい。もう躊躇しないです。どこでいこうかっていうのは考えますけど。
このライブは、パソコン破壊ライブの中でベストなんです!撮影班のタケウチさんがいるんです。アマチュアの(笑)。いや、プロでやってますけど。破壊して、奇跡が起きたんです!
スクリーンにの子って出て。その下に【ロックしています】って出てて。俺、ロックって言葉大嫌いなんですけど、その時はときめいちゃって。

――(笑)
の子 おれはほんとにそれは・・・えっ?すごくない?
竹山 タケウチさんは何が関係あるの?
の子 タケウチさんは、俺等が駆け出しの頃からライブ映像を撮り続けてくれている人なんですよ。あっ、全然関係ないです(笑)。タケウチさんはもう忘れて下さい。
竹山 おい、お前・・・バカじゃないの(笑)?
の子 ・・・いや・・でも・・
竹山 いや、面白いよね。

――色々あるとは思うのですが、の子さん的にはパフォーマンスも作品だということですよね?
の子 パフォーマンスというか、僕は10代の頃から『ロック』っていう言葉が大嫌いなんですよ。なんかあの感じが。暴力的じゃないですか。僕は大人びた10代だったので、だからこそ、自分に対して、いじめられた経験からですけど、みんなでつけ込んでくる奴って結果的に暴力的でそれがロックという感じがして。
竹山 10代の頃何やってたの?
の子 普段は家で、メロディを作ってました。
竹山 じゃあ、友達とバンド組んでたとかはないの?
の子 それはないです。
竹山 じゃあ何でメンバー集めようと思ったの?
の子 バンドじゃないとインパクトがないから。やっぱり人を攻撃するには・・・
竹山 えっ、の子君にとって音楽は攻撃なの?
の子 攻撃だけじゃないですけど、メインとなっているのは“見返してやるぞ”的な復習感が常にある。大人だった僕がガキにいじめられてたんで、音楽でというか作品で見返すというか。
まぁ、それだけじゃないですけどね。今ですら“グヌヌ”って思う事もたくさんありますし。
他のアーティストとか、何で売れてんだチクショー!ってのもいっぱい思ったりするわけじゃないですか。
竹山 例えばだけど、カットするから、何でアイツが売れてるってのは誰?
の子 SEKAI NO OWARIですよね。

――(笑)
の子 隠さなくていいですよ。一昨日遊んだんで。仲は良いです。仲は良いんですけど、作品は認めないです(笑)。人としては良いです(笑)。でも、本人の前ではさすがに言わないですよ(笑)。きっと怒りますからね。酔っぱらっても言わないです。
竹山 そこは大人なんだ?
の子 大人ですよ!
竹山 向こうはかまってちゃんのことどう思ってんの?
の子 向こうは・・・好き(笑)。けど、そういうものですよ。それもありますよね?俺もいっぱいキライキライ言われてるけど、別に全然・・・。

――芸人さんでもあるんですか?
竹山 いや、全然あるよ!普通に会ったら仲良くする人。まぁ、俺で言うと、スピードワゴン嫌いだけど。

――(笑)
竹山 けど、友達だし。


【“過激”パフォーマンス論】
――噂で聴いたのですが、勝手にネット中継をして問題になったという。
の子 ああ、そうです。
竹山 タバコ吸っていいですよ(笑)。
の子 あ、はい。昔、その、ライブの前に時間があったんで、近くに国会議事堂が近かったんで、じゃあ行くしかねぇ!!って。いや別に中に入ってないですよ。外で一発歌ってやるかって。それこそパフォーマンスですよ。配信のネタとして面白いだろうなって。
竹山 火つけていいよ(笑)
の子 あっ、ああ(笑)
竹山 吸わないのかよ!どっちでもいいよ。吸いたいか、喋りたいか。
の子 あ、喋りたい。で、そしたらすぐに捕まって。ただそれだけ・・・。
竹山 国会の前で歌ったらすぐ呼ばれちゃうの?
の子 まぁ、ちょっと変な格好してたんですよ(笑)。オタクっぽい変な猫のトレーナー。国会の周りには絶対いないような。それで、すぐにすいませんって。逮捕されたらたまったもんじゃない。
竹山 今はさ、どんな状態なの?ずっと前は勝手にやってもいいじゃん。今はレコード会社とか事務所とかある訳でしょ。大人に怒られないの?『の子お前、いい加減にしろ!』って。
の子 いや。女関係以外ないッス。何かそこら辺以外ないッス。だから結構基本的にやりやすい。
竹山 世の中で知っている人が昔より増えているじゃん。それがめんどくせぇ時ない?
の子 何かこう、身近じゃないですか、ネットって。自分家でやるから余計に。だからファンとか来ちゃうんですよね。

――家に!?
竹山 え、何で家なんて知ってんの?配信で言ってんの?
の子 いえいえ、言ってないです。僕が自分の自画撮り写メを、カッコいい写真を2chに貼ったんです。そしたらイチジョが入ったまんまで・・・。それで『お前、何かピンささってんぞ?』それで、スタッフの人からメール来て、『の子君、住所バレてるよ』って(笑)。
竹山 あれは、俺等みたいなのは切らなきゃダメよ。
の子 もう遅いっすよ(笑)だからGoogleで調べたら俺の住所出てきますよ。
竹山 ピン刺さってるから(笑)


【芋虫さん 生歌唱】
竹山 じゃあ、なんか言いたい事あるでしょ?

――そろそろ、1曲・・・。
の子 あ、はい。えっと、『芋虫さん』という曲をやります。
・・・ええ、あ、あ、いるんですか?ずっと見ているの俺を? 
竹山 (笑)はい。せっかくだから。お願いします。
の子 おかしいだろー。

歌唱

の子 ・・・ありがとうございます。
竹山 歌っていると全然違うね。トークしている時と全然違う!
の子 いや、なんか気持ちよく・・・。竹山さんなんか、友達見たく(笑)。何か話しやすい。

――おー!!
竹山 じゃあ、最後ですけど、何か簡単に、目標というか何かあったら。
の子 今後の目標は決めない事。
竹山 なるほど。
の子 はい。やっぱりその自分自身の瞬間瞬間で。やっぱり直感で。一日一日をなるべく無駄にせず、生きてたらいいなと。
竹山 なるほど。今日は本当にありがとうございました。
の子 ありがとうございます。

――今夜のゲストはの子さんでしたー!
の子 本当にありがとうございました。

後藤まりこ

後藤まりこ「スペシャルロック対談 -芸人ロッカー vs 音楽ロッカー-」

カンニング竹山 番組も始まったばかりで手探りな状態なんで。自由にやってください。
後藤まりこ すごい手探り感が伝わってきますよー。

VTR

竹山 初め、なんすか!?ミドリっていうバンド組んでた?セーラー服着て。
後藤 そうです。ねー着てましたねー。
竹山 あれはあの日だけ?
後藤 ううん。ちゃうちゃう、衣装。さっき見てもらったの野音のライブやったと思うんですけど、あの日セーラー服着てるってことが嫌になって。最後に脱いでおわって・・・
竹山 バンドは組んで、メジャーデビューっていうか大阪で初めやってたの?
後藤 したー!メジャーデビューさせてもらえて、東京に来させてもらえて、いつのまにかなんかぐちゃぐちゃってして、解散してこうなりました(笑)
竹山 解散して、今ソロでやってるの。
後藤 そう。でもバンドのメンバーもみんな元気でやってるっぽいです。
竹山 おれそういうのってよくわかんないんだけど、解散したりしてメンバーとあったりしないでしょ。
後藤 あってない。でも風の噂!
竹山 ぶっちゃけどっちがいい?おれ昔コンビだったわけよ。でも相方死んじゃったから一人なわけ。ぶっちゃけていうと、今からコンビには戻れない。
後藤 うん。戻れない!
竹山 バンドとソロだとぶっちゃけどっちのほうがやりやすいの?
後藤 今はソロの方がいい。
竹山 バンドだと大変でしょ、楽屋とか移動もみんなででしょ。
後藤 それはそれで大変やった。今、よかった思い出、思い出そうとしたけどあんまなかった(笑)
竹山 揉めたな。そーとー。
後藤 揉めたよ!すっごい揉めたよ!(笑)


[後藤まりこ”過激”パフォーマンス論]
――後藤さんといえばライブのパフォーマンスがすごい。過激なライブパフォーマンスが伝説なんです。

VTR

竹山 なるほど!後藤ちゃん結構きてるね。
後藤 んーきてるんかも(笑)。
竹山 一個一個聞きたいんだけど、モニター登ったり、マイクで頭叩くのは歌いながらアドリブで決めるの?リハーサルするの?
後藤 えー無理かも。なんかやっぱライブの時にモニターとか机とかあって、ここに人おったら「近づきたい!」と思って行く感じ。
竹山 今の高台に上るのも、モニターとか並んでるわけでしょ。でも昇ると危ないかもしれないわけでしょ。くずれちゃうかもしれないし。
後藤 いっつもスタッフさんが「はぁーーー!」ってなって支えてくれたり、あとで怒られる。
竹山 ロックも怒られるの?意外と。
後藤 「すいませんっ」ていう。「ごめんなさい」って(笑)。決め事とか予定調和がほんまに嫌やって、そうしちゃった。

――竹山さんは決めてやるってことですか?パフォーマンスを。
竹山 ある程度はやっていいことと駄目なことあるじゃないっすか。
後藤 グレーゾーンってあるじゃないですか。多分スピーカー登るとか、モニターに足をかけるのはすごいグレーゾーンで。ぼくもこんだけやってきたけどわからへん。
竹山 何かあっても「あんたの責任ですよ。うちは関係ないですよ」っていうグレーゾーンがロックにはある?
後藤 あるんかなー?そう思ってるけどボク、間違ってるんかなー?
竹山 それはわかんないよ!(笑)客の上で歩くって、あれ客と打ち合わせできないでしょ。
後藤 できない!
竹山 いきなり前に出て「飛び込もう!」とか、「歩きたい!」て思ったの?
後藤 あん時は、手を上げたらお客さんも上げてくれて、手の上をザンッ!ザンッ!ザンッ!って。
竹山 お客さんが手を上げたら、歩いていいってサインじゃないでしょ(笑)!そんなサインなのライブって!?
後藤 歩いちゃだめ?じゃーさ、そこに手があった。「そこに山があるから登る」みたいな。
竹山 ダイブはわかるよ!盛り上がって。でもあそこを歩くってさ、ちょっとした技じゃん。なんで歩く発想になったかと。
後藤 後ろまで行きたかってん。後ろまで行きたかったし、ライブハウスは狭いっていうても広いし、何百人も来てくれるから、一対一にはなりたくてもなられへんくて・・・でもなりたいんよー。一人一人ありがとうとも言われへんし。行くよーみたいな。
竹山 お客さんに対して根底に「ありがとう」って気持ちがあるんだ。
後藤 あるよー。うん。すごいある。
竹山 それで言うとマイクで流血ってさ。正直言うとさ、「なにやってんの?(笑)」。だめじゃん!己が痛いし、ほんとの血でしょ。
後藤 これも「ありがとう」もある。おかしいかなー?おかしいかもしれへん。お金払って来てくれてるし、ちゃんとしたいし、楽しんで帰ってほしい。「なんでちゃんとできてへんねんやろ。しっかりせえ!後藤!」どーん!わー!みたいな。
竹山 その血だったんだ。自分に悔しいというか、「私何やっとんねんっ」ていう。
後藤 そう!説明いるよね。
竹山 説明完全にいるね!
後藤 もう痛さとかよりも、ライブ上手くできなかった自分が歯痒すぎて、そっちのが強かった。


[パフォーマンスに限界はないのか!?]
――後藤さんには事前アンケートにお答え頂き、その中の「あなたにとってロックとは?」という項目対して「チョーキング」と頂いております。
後藤 チョーキングしたことあります?
竹山 真似事をしたことはある。
後藤 気持ちよくないですか?
竹山 全身に行き渡るっていうか、快感だなー、気持ちいなーって感じ?
後藤 そう!
竹山 音楽に出会ったのはいつ?
後藤 学生時代、他校の子にコピーバンドで誘われてやった。パートはボーカル。それでコピーして、楽しいねーってなって。ほんまに何も考えてへんくてこーなっちゃった。
竹山 なんで誘われたん?
後藤 多分、友達おらんかったからやと思う。その子らの周りにホンマに女子がおらんくて。「女子ボーカルのバンドをやりたいっ」て言ってて、巡り巡ってきた。
竹山 ロックやってよかった?
後藤 うんやってよかった。お笑いやってよかったですか?
竹山 まぁやってよかったですけどねー。
後藤 「ですけど?」けどって何?

竹山 これが難しい問題でさー。家賃も払えねーのに「お笑いやってよかったです」って言ったら「嘘付けばかやろーっ」てなるじゃん。
後藤 そっかー。竹山さんでも生活の事考えるんやー。
竹山 いや考えるよ
後藤 お金好き?
竹山 お金はね・・・好きです(笑)。
後藤 ボクも最近、ようやく嫌いじゃないなってことに気付いた。
竹山 わかるでしょ!この仕事で食えだすと大切なのわかるでしょ。ダイブして歌ってさ、曲作ったりして、それ好きなことやろ?それして金もらってんのよ。
後藤 ありえへんくない?
竹山 ありえないよほんまに。
後藤 でもな、そうやって「好きやーっ」てやってんのに。なんでたまに嫌になんねやろ。
竹山 やり過ぎで行き詰まるんじゃない?あまりにも考えすぎて、結局答えがみつからなくて。
後藤 答えってなに?
竹山 答えがないから悩むんだよ。正解がわからない仕事をやってるから。誰も分からない答えをずっと追求して、こーでもないあーでもないって、こーかな、あーかなってやってるから途中でわーってなるんじゃない?嫌になった時どーすんの?
後藤 嫌やなーって思って、部屋のすみで三角座り系。
竹山 三角座り今度したら電話して。みんなで飲みにいったら楽しいから。
後藤 そう。楽しいねん!それがわかった!電話したら人が来てくれるんやって思って。そんなことってあるんや!って。
竹山 そんな人生無かったの今迄?
後藤 そう。ボクほんま友達がおらんのですよ。昨日友達を作る本買っちゃった(笑)。
竹山 なんて書いてるの?なんて書いてるの?
後藤 名前を覚えましょう!って(笑)。

――竹山さんに絶対これは聴いてみたいってことありますか?
後藤 お利口な側面ももちろんあって、核、パンクなとこもあって、それ・・・くずしてへんなーと思いました!感想になっちゃった(笑)。
竹山 パンクな面はねーあると思うよ。
後藤 うんあると思う。
竹山 街であばれたり電車で酔っぱらって威張ってる親父ってちょっと面白いじゃん。そういう親父に絡んでく自分が面白いっていうのがあるの。「どーしたのおとうさんー」って。
後藤 それめっちゃおもろいかも
竹山 そういうところがいまだにある。みんなが黙っているところをぶち壊すっていうか。さすがに大人になってきたらやんなくなってはきたけれども・・・。
後藤 それは守りに入ってるのとは違うんですか?

竹山 後藤ちゃんねー。それは難しいわ。確かにそこなのよ。
後藤 それはボクも考えるとこやもん。だってそういう竹山さんを求めてるお客さんもおるでしょー。
竹山 まあそうだろうねー。
後藤 ボクとかもそういうのあって、血流してるほうがええ。と思ってる人もおると思う。でもボクは流したくないし、戻りたくない。自分のやりたいことやってても伝われへんときもあるやん。

――葛藤があるんですね・・・。
竹山 いつまでロックやる?最後までやるのか、ばーさんなってもやるのか。
後藤 今はもうずっと一緒にいたい、音楽と。
竹山 女の人って結婚したいとか、子供産みたいとかそういう夢もあるじゃない。
後藤 子供ほしいけど、今は猫4匹飼ってるから大変。
竹山 何で4匹も飼ってんの?
後藤 拾った。
竹山 拾っちゃだめよ。
後藤 誰が拾うん?
竹山 誰かが拾うから。
後藤 そー言うねん。大人はそう言うねん!大人はいっつもそう言うねん。
竹山 おまえそのサイクルだと猫婆になっちゃうぜ!今、猫16匹いますみたいな。結局そうやって夕方のニュース出ちゃうぜ(笑)。
後藤 そしたらニュース出たとき、アイツ猫婆なったんやなって思っといて!

――ファンのみなさんにメッセージをお願いします。
竹山 こうやっていっぱい語ってんの見たことないファンの人もいるだろうから。
後藤 長い間ありがとうございましたー。後藤でしたー。
竹山 いやいや!やめないでしょ!(笑)
竹山 どんなライブやってこうかなとかあんの?
後藤 嫌な思いはさせたくないです。なんかわからへん・・・アカンっ。下手にしか出られへん(笑)。
竹山 だから一回自分のライブ来てくれと。楽しく作るように頑張るから。絶対に楽しませるからと。
後藤 そう!代わりに言ってー。
竹山 なんでオレが変わりに言うんだよ。やだよ(笑)。


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